ポール・マッカートニーと菜食⑪
ポール・マッカートニーと菜食⑪
ポール・マッカートニーと菜食⑪
何故、ポールとリンダはベジタリアン的生活になったかということを述べていきます。
90年代には、日本でも出版された『地球と私とベジタリアン料理』(文化出版社)です。
彼女の素晴らしさは、「ベジタリアンになろう」というスローガンを掲げるだけではなく、ベジタリアン冷凍食品の開発や料理本などを通じて、誰にでもできる具体的な方法を示したところにあります。
そもそもなぜポールとリンダはベジタリアンとなったのかということを、前述の本の中でリンダは次のように述べています。
「スコットランドの小さな丘の上のキャンベルタウンの近くにある牧場で暮らしていたときのことです。
ある日曜日のランチで、私たちは小羊のもものローストが盛られた食卓に着こうとしていました。
ふと窓の外を眺めると、野原で楽しそうに遊んでいる私たちの小羊たちが見えたのです。
そのとき、私たちが食べようとしているものが外で遊んでいる小羊たちの仲間でということに気がついて、突然おそろしくなってしまったのです。
生きた動物たちと、お皿に盛られたものを結び付けた瞬間に、もう二度と肉は食べまいと決意しました。
この日、ポールと私はベジタリアンになることを決めたのです」。
ポールもその後、羊のことが忘れられなかったのか『メアリーの小羊』という美しい曲をシングルとして発表しています。
つまり、ポールは70年代初めに肉をとらないというベジタリアン生活になっていったのです。
99年に発表されたリンダの料理本『リンダ・マッカートニー・オンツアー』では、ポールと一緒に世界中をツアーして回るうちに覚えた各国のベジタリアン料理が紹介されています。
そのなかのひとつとして、日本の「わかめときゅうりの酢の物」が取り上げられています。
ふだんの私たちが口にしている食べ物も、視点を変えれば立派なベジタリアン食であることを気づかせてくれました。
ポール・マッカートニーはインタビュー(ライフ誌 1971年4月)の中で、次のように述べています。
「スコットランドにいるときは野菜を植えて、そのまま放っておくんだ。
すると野菜は自分の力で伸びていく。伸びて成長するだけじゃなく、おいしい食料にもなる。
と言っています。
自然のものが自ら伸びて、人々の糧となる。僕たちは農場で羊を飼っているけど、肉は食べない。以前、羊肉を食べていて、ふと気づいたんだ。
自分たちが今、口にしているのは、窓の外で無邪気に飛びまわっているあの動物なんだってことにね。
だけど、ガチガチのベジタリアンとは違うよ。」
なるほど、ポールは動物愛護の観点から、菜食主義的な生き方になったのですね。
続く・・・
1.ポール・マッカートニーと菜食①2014/5/23
2.ポール・マッカートニーと菜食②2014/5/30
3.ポール・マッカートニーと菜食③2014/6/6
4.ポール・マッカートニーと菜食④2014/6/13
5.ポール・マッカートニーと菜食⑤2014/6/20
6.ポール・マッカートニーと菜食⑥2014/6/27
7.ポール・マッカートニーと菜食⑦2014/7/18
8.ポール・マッカートニーと菜食⑧2014/7/25
9.ポール・マッカートニーと菜食⑨2014/8/1
10.ポール・マッカートニーと菜食⑩2014/8/8
11.ポール・マッカートニーと菜食⑪2014/8/15
12.ポール・マッカートニーと菜食⑫2014/8/22
13.ポール・マッカートニーと菜食⑬2014/8/29